魂のアクビ

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かわいいって何だろう

先の休日、いつものようにパチンコに興じていた。

その日は目ぼしい台があったため開店早々から並ぶも、午前中に資金の半分以上をつぎ込んでも期待した成果がなく、その台に見切りをつけて1円パチンコに撤退した。

普通のパチンコ、いわゆる4円パチンコはお客さんが20~50代あたりの一攫千金とスリルを目論む層がメインである。

1円パチンコはどちらかというと、お金よりも時間をたっぷり持ち、何か面白いことが起こらないかなという期待を寄せ、あわよくば数千円のお小遣いを稼ぎたいタイプが集まるコ^ナーであると勝手に思っている。

両者はどちらも区別のない銀の玉で遊戯するが、運良く大量の出玉を得た場合の換金レートが違うので、ここからこっちは1円コーナーなど間違いなが起こらないように仕切られている。

 

「海物語」というシリーズの人気台がある。知っている人は知っていると思うので詳細な説明は割愛するが、当たるか当たらないかのドキドキする演出が大体3段階くらいに分かれていてシンプルで高齢者層に莫大な人気がある。リーチがかかった瞬間に「魚群予告」という大量の魚達が画面を横切るとかなり当たりにに期待が持てる。もう1つ「泡予告」は一番多い予告だがほとんど外れるが、ほとんどが外れる。最後が「ノーマル」という何も発生しない予告で、しかしほんの稀に当たったりする。

 

その3つの予告を日がな眺め続け、魚群が出たらついに来た!と歓喜し、それ以外だとやっぱ泡かよーと落胆する。僕はしないが、お年寄りの方々は自分の台だけでは飽き足らず、人の台の様子まで覗き込んでくる。

先日も隣のお婆ちゃんが僕の台にリーチがかかるたびに自分のことのように一喜一憂してくれて、僕はそれをとてもかわいいと思った。

 

僕は幼児と高齢者がなぜか好きだ。何故かは分からない。もっというとワガママで自分の感情に忠実な人をとても可愛いと思う。もちろん寡黙でニコニコした人たちも好きだ。

ワガママが通らずワンワン泣いている子供や公共の場でも我が家のように振舞うお年寄りを見ると、その明け透けな愚直さになんとも可笑しみを感じる。

「素直」だからなのかな、と思ったりもする。良きにつけ悪しきにつけ、変な衒いや打算がない直情的な部分をそれが多少激しく・奇妙であったりしても。

動物を愛でる気持ちに似ているかもしれない。犬や猫は複雑な駆け引きをしないであろうが故の可愛さがある。

 

そしてそのおばあさんに「あはは、どうも」「ありがとうございます」など冴えない返事をしている自分はかわいくないなぁと何故か落ち込んでしまった。自分もまだ20歳ごろまではかわいさの最後のひとかけらぐらいは残っていたように思う。

歳を取ってから物事にすぐに損得勘定が先立ち、内情まで深く知らないニュースを簡単に断罪したり。他人と接する時にそう見られたいように、恥をかかないように振舞うからだろうか。

思えば昔は他者へのサービス精神が少なからずあった。なんか相手を笑わせたり楽しませたいな、という心があり、人前でも笑いが取れるとただ嬉しかった。

今はとてもそんな余裕はなく、あがっていなかったか・かっこわるくなかったか、みたいなことしか余韻として残らない。

自分を取り繕うこと以外に回せる予備力のようなものが枯渇してきているのかもしれない。

 

よくわからないが、もっとかわいい人間になりたいなと思います。