読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

魂のアクビ

健康・映画・ライフハック

ハンバーグの心、メンチカツの装い

以前の住まいの近くにあったお惣菜屋さんは、閉店間際に大幅な値引きをしてくれて、とても助かっていた。そんな時間にしか買いに現れない自分はお店からするとまあ嫌な客だっただろう。

 

大体298円のものが70円~80円にまで下げられていた。お惣菜の種類は日によってまちまちだったが、メンチカツはプロパーメニューなのか、いつも値下げの対象として群をなして売れ残っていた。そのためかいつしか「メンチ」=「ハズレ」というような無礼な序列が僕の価値観に刻まれていた。

 

メンチカツ、うまいんですけどね。特に時間が経つと油がきつくて、いかに工夫しても取り繕えないほど油が滲み出るのだ。ポン酢で食べたり大根おろしを添えたり。まあ大体が酒の肴としてのワンクッションとしておつまみ程度の役割でしかないのだが、酔いが深まれどその油っぽさはくっきりした輪郭を損なうことは無かった。

 

だがある日、ふと思った。メンチカツってほぼハンバーグじゃないのだろうか。

 

ハンバーグ…それは国民的人気食でありちびっ子の憧れでありお弁当の主軸を成すスター選手である。もし彼らがメンチカツではなくハンバーグとして調理されていたら、閉店ギリギリまで残っているだろうか。きっと20%引きぐらいの段階で飛ぶように売れ、ご飯のお供として歓待を受けることだろう。なぜに神は彼らに衣を纏わせたか。

 

これは就活に似ているかもしれない。ハンバーグとして提供できるのはせいぜい第2新卒ぐらいまでで、それ以降は実務経験や資格など何かしらでコーティングしないと商品として市場へ出ることが難しい。自分としてはどこも変わったつもりはないのだが、社会は賞味期限に目敏い。

 

工夫を凝らせど凝らせど、あのお惣菜のように買い叩かれてしまうのだ。

 

もうハンバーグには、あまつさえタルタルステーキにはなれないのだろうか。

ミックスフライの一角として、しょうが焼きのバーターとしてしか活躍できないのだろうか。

 

仕方ない、せめて衣をサクサクに、歯茎に傷を負わせるくらいサクサクに仕上がるのだ。

ステイヤング・ステイバーグの心で、明日も頑張ろうっと。