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電動自転車

雑記

10代の最後に田舎から都会へ引越し、初めて受けた産業的衝撃が牛丼の値段安であった。

それ以降、世間がデフレ不況やITバブルなど荒波を浴びていようとも、我が金銭感覚は依然として深海をのそりと進むように低位で安定をしていた。

 

人生でいつからか自分の財布を持ち始め、お年玉やお小遣いでやりくりしたのが縄文・弥生などの文明の始まりに近しいものだとすれば、僕の金銭感覚はまだ鎌倉時代くらいであろう。

 

主に食欲によって変動される我が経済指標は、資産運用などとは縁遠くまだ物々交換の延長のようなものである。即物的で長期的視点に欠けている。

そんな未開人のような僕が第二の産業革命の恩恵を受けたのが、電動自転車の価格安であった。牛丼ショックから15年後の事件である。

 

エコポイントや家族の優待割引などを総動員して、一番安いのを5万円くらいで購入したのだ。

当然購入前に試乗させてもらったのだが、急勾配をグイグイと乗り進むその力強さは、久しぶりの衝動買いを予感させた。

ファイナルファンタジーで飛空挺を手にする、以前/以降のような全く異なる世界観。おおこの翼でどこでもいけるじゃないか、これは間違いなく革命だ!

 

ただ、試乗したのはおそらくスポーツタイプのハイスペックなやつで、僕が購入したのはママチャリタイプの安いだった辺りに齟齬が生じたのかもしれない。

初通勤で山道を登った時に、あの時の軽やかさが思ったほどではなく、スポーツジムのマシンのようにじりじりとトレーニング感が出てきた。(…ここはまだ中腹。これでは最後は立ち漕ぎになるであろう…。)

案の定であった。

まあ自力で登るよりも断然便利なのだが、こいつ(電動自転車を)意外と鈍重だな…などと自分を棚に上げたようなことを思ったりした。

 

そう、電動自転車は当然重たいんです。バッテリーや構造からおそらく20kg以上あります。そこに自分の体重などが加われば、物体としては100kgに近くなります。

それに比せずタイヤの細さは普通の自転車と変わりません。当然滑りやすくなります。

原付が危ないと言われている因子を備えているどころか、原付よりもか細いタイヤで支えているのです。あまり太いタイヤだと電池が地面との圧力でみるみる減ってしまうから仕方ないんですが。

 

初めて雨の日に深い溝を通過したときに、平衡感覚が瞬時にゆがみ、まずいと思った瞬間にはもう横転していた。

非常に便利ではあるんですが、お年寄りの方がその危険さに気付いて、路面の状態に注意しないと本当に大怪我の危険性があります。

 

一度転んでしまうと舗装された道路はスケートリンクのようつるつるに感じ、特に駅前など人の往来のある所では事故や転倒の心配に加え、ここで転んだら恥ずかしいという過去の発表系イベントの失敗群が胸を去来し、とても複雑な心持で安全運転を心がけている今日です。