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愛こそ全てか?…「素晴らしき哉、人生」

映画

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     あらすじ

主人公のジョージという男は、いつも何処かでツキに見放され、逆境にばかり立ち向かう運命にあった。自分のミスではなく大金を失った彼は、全てに絶望して自殺を図る。ところが、12月の冷たい河に飛び降りようとしたとき、彼より先に一人の男が身を投げて救けてくれと叫んだ。あわてて救けたジョージに、男は、自分は見習い天使だと告げるが……。

           感想

前半はジョージという主人公の半生が描かれ、どんな人間で人生の岐路でどんな選択をしてきたか、など人となりが見えてきます。

例えばジョージは生まれた小さい街が嫌で世界を市場としたビジネスをやりたかった。ジョージの父は小さいながらも今で言う街の信金のような仕事をしていてで、持ち家を欲しがる人にバンバン融資をしていた。

この街はポッターという実業家が牛耳っており、メガバンのような大きな銀行や不動産経営などを行っていた。多くの町民はポッターの高い賃貸物件に住まざるをえず、なかなか持ち家を買う資金を築くことが出来ないでいた。

 

ジョージに何度か転機が訪れる。同級生のみなが大学を卒業し社会に出ようとしている頃に彼はようやく自身の大学の学費の目処が立った。成績だって悪い方ではない。少し出遅れたがようやく夢に向かって進むときが来たのだ。

しかし、そんな折に突然父が亡くなってしまう。ポッターにとって目障りである父の信金をポッター派の人間は良きタイミングと散会させようとする。しかしこのままではこの街はポッター経済の一極体制になってしまうことが容易に想像が付く。大学進学と天秤にかけた結果、学費は弟の進学に充て、自分が当面社長の座につくこととにした。ジョージとしては、弟は大学卒業後にこの会社を継いでくれると信じ、その間の辛抱のつもりであった。予定が伸びただけだ。

 

数年後、帰郷した弟はガールフレンドが出来、相手父の仕事を手伝うため父の会社は継げないと言う。またもジョージは自分のやりたい道が遠ざかることとなる。

落ち込むジョージ。自分はいつ…いつまで…。

そして悪いこととは重なるもので、銀行に入金するはずの経営資金が事故で紛失してしまう。信金には会計士の一団や預金者が大挙し突き上げを食らう。

自分は何のために生きてきたのか、辛酸を舐め続け、やりたい道を諦め、貧しいながらも誠実に生きてきたではないか。

全てが嫌になったジョージは真冬の川へ飛び込み自殺を図るが、「見習い天使」にその自殺も止められてしまう。「自分なんて生まれてこなければよかった」と言うジョージに「じゃああなたが生まれてこなかった世界をお見せしよう」と自分の存在しない街を見せて回るのだった。

 

ここからの展開はとても速く、ラストも昔の名画よろしくとてもあっさりしたものだが、とてもほっこりした気分になること請け合いなしだ。

人の人生とは何だろう。愛こそ全てだ、他に何があるか。