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魂のアクビ

健康・映画・ライフハック

永遠はここに「レナードの朝」

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        あらすじ

  オリヴァー・サックスの実話を基に、治療不能の難病に挑む医師の奮闘を、一人の重症患者との交流を軸に描いた感動のヒューマン・ドラマ。30年間昏睡状態だった男レナードが、奇跡的に意識を回復した。セイヤー博士の治療が功を奏したのだ。博士はその治療を、他の患者にも適用してめざましい効果をあげるが……。

 

              感想

 

 もう何度も見た映画です。臨床経験がなく研究者として長年過ごしてきたセイヤー医師だが、とあるきっかけである病院に就職することを余儀なくされてしまう。今風に言うとコミュ症の気があり、現場での仕事は極力やりたくないというのが本音だったが、押切られる格好で働くことになってしまう。

 その病院では「パーキンソン病」に酷似した「ねむり病」の患者が多く入院していた。診断しようにも全く言葉が話せない患者に苦慮していたが、ある一瞬の出来事でセイヤー医師は患者の中に間違いなく生が宿っていることに気付く。それまで微動だにしない患者がセイヤーの掛けていたメガネが落ちるをキャッチしたのだ。

 他の患者にも、例えば飛んでくるテニスボールに対して俊敏な反応を見せ上手にキャッチするものもいれば、病室のタイルを格子状に塗ればそれを視覚情報にタイルの塗られているところなら歩行可能の患者もいる。

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もう一人の主人公レナードも少年時代に「ねむり病」に侵され意識の無い状態が何十年も続いた。

そんな中一方で「Lドーパ」という新薬が開発され、セイヤーはこの薬を患者に少しずつ投薬をするのだが、なんと患者たちは意識をとり戻し始めたのだ。

ある者はその空白の中で自分が離婚し一人身になったことを知るが、「ようやく別れられた!」と歓喜する、ある者は今さら意識が戻ったことに、時代に、上手く適応できていないでいた。悲喜こもごもである。レナードも後者であった。

彼は鏡で中年になった自身の姿を見て愕然とする。青春時代がすっぽりぬけて鏡前にいる自分はオジサンだ。

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 レナードは入院中に、寝たきりの父親の見舞いを頻繁に行うポーラという女性に恋をする。おそらくこれが彼の初恋であったかも知れない。レナードと彼女は微妙なバランスで成り立っていた。レナードは嘘こそついてないが自分が障害を持っていることは言わず健常者のように振舞ってた。

レナードたちの病を寛解させたようにみせた「Lドーパ」だが抗体が出来て徐々にもとの状態に戻ってしまう。レナードも腕は震え、体の震戦が止まらない。そして思ったのだろう。またこれまでのような意思の疎通が出来ない状態になるのではないか。

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その日、震える腕で髪に櫛を通し身なりを整え、ありのままの姿でポーラにあった。言葉はどもり姿勢は落ち着かず、できれば一番見られたくない姿だっただろう。

雑談の中でダンスホールで遊んだというポーラに、「ぼくはダンスはもう無理だな」などひとりごちた。そしてレナードは言った。「きみとはもう会えない。バイバイ。」

そして感謝と別れの握手を差し出すと、ポーラがチークダンスの手ほどきをし、病院の食堂の中で静かなダンスを踊った。みなが見ていた。ポーラがレナードを撫でることでレナードの震戦が収まっていく。

かつてレナードはポーラに言った。君の声お父さんに届いてるよ。ちゃんと理解できているんだ。植物状態だった自分の体験からの言葉だろう。

その後レナードはもとの動かない状態に戻ってしまう。永遠にこのままかもしれない。

しかし心は動いている。ポーラのリードしてくれたチークダンスは永遠に忘れない。

レナードも我ら観客も。 

 

このダンスのシーンはバックに流れる「デクスターズチューン」という名曲が相俟ってとんでもなく悲しくも美しいシーンとなっている。まだ見ていない方は必見の一作です

映画史上一番美しいシーンに挙げられることも少なくありません。

 

 

 

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