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99%の努力…「ガタカ」

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  •         あらすじ 

 DNA繰作による優秀な遺伝子を持った“適正者”によって、自然な出産で生まれた人間が“不適正者”として支配される近未来。

 不適正者として生まれたビンセントは宇宙飛行士を夢見ていたが、それは不適正者ではかなわぬ夢だった。

 しかし、彼は自分の運命を変えるためDNAブローカ一の紹介でジェロームという青年の適正者IDを買い取る。ジェロームになりすまして宇宙局ガタカの局員となったビンセントはついにタイタン探査船の航海士に選ばれる。

 だが出発間近に上司が何者かに殺された事件でビンセントの髪の毛が発見された事から、正体発覚の窮地に立たされる。ビンセントの素性に疑いを抱く女性局員アイリーン。更にエリート捜査官となった弟のアントンの介入で、彼はますます窮地に追い込まれる。

          

          感想

 近未来を舞台にした作品である。うーん、未来ってこんな超格差社会なのかと思うとなんともやるせない気になります(笑)頑張ったって無駄じゃね?遺伝子で全て決まってるんだし…。

そんなことをおくびも出さず主人公のヴィンセントは日々の鍛錬に加え、元国体選手でお墨付きの適正者ジェロームの体液や体毛とすり替え毎日の遺伝子検査をパスするなど薄氷を踏むようなスリルのある日々を送っていた。

 

ヴィンセントは生まれつき心臓が弱く、宇宙局員になれなかったのもこの病気が一つの原因である。両親は同じ轍を踏まないため、その弟アントンは遺伝子を操作するデザイナーベビーとして生まれた。兄より何事も優れた弟であった。海で遠泳勝負をするたびに弟に負かされ劣等感を抱く少年時代だった。

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 ヴィンセントに体毛や体液を提供しているユージーンは将来を嘱望された水泳選手だったが交通事故に合い、車椅子での生活を余儀なくされていた。これまでの華やかな人生が一転して虚無なものになってしまったユージーン。ビジネスとしてヴィンセントへ遺伝子情報を提供している一方で、不適正者でありながら自分の運命を自力で切り開こうとするヴィンセントに、自身の中でしぼんでしまった何がしかの情熱が呼応していたのかもしれない。

 

 そんな中、ガタカ内で殺人事件が起こる。捜査の中でヴィンセントのものと思われるマツゲが見つかった。適正者しかいないはずガタカに不適正者が出入りしていることは近未来において殺人に準ずる問題なのだ。そしてガタカに入局したいがため清掃のアルバイトをしていた過去からマツゲはヴィンセントという不適正者がものだと反映した。さらに担当捜査官は実の弟のアントンであった。

 

 ヴィンセントは前述の通り自然出産で心臓が悪く、30歳までには90%の確率で死ぬと言われていた。弟が驚いたのはまずその点であった。ヴィンセントはアントンに遠泳の勝負を申し込む。適正者が不適正者に負けるはずはない。分が悪い勝負だ。しかし、ヴィンセントは30歳を越えても生き延び、遠泳でも優秀な弟に勝った。99%の努力が1%の絶対的なものを凌駕したのだ。

 この作品はラストが秀逸で、音楽やユージーンの結末や意外な協力者などとても美しいラストであるため、冗長になってしまったが、興味がある方は視聴して損はないと思います。